たいらくんの政治経済。

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2014/04/28

うどんしか興味ないのに高級百貨店も拉麺築港もいらん



香川県民、とりわけ高松市民にとって特に気にもならないニュースがあった。高松市で最も発展している瓦町に軒を構えていた高松天満屋が遂に来年3月をもって閉店してしまうのだ。

多くの地元民にとって、このニュースは聞けば驚くけれども誰もが納得する。理由は簡単。誰がみたって客は少なく、利益がでているようには見えなかった。

瓦町で圧倒的な存在感を誇るあの建物ができたのは今から16年前の1997年4月23日。地域最大の売り場面積を誇る29500平米で、年間売上目標は300億円。その頃は、天満屋じゃなくてことでんそごうだった。

ちょうどバブルで盛り上がっている頃に計画されて、バブルが弾けた後に開店した時点で察するべきだけど、開店1年目の売上は、目標の8割にも及ばず、次第に店を開けるだけで毎日500万の赤字が出るようになった。

そもそも日本でトップレベルのケチさを発揮する香川県民を相手に百貨店ビジネスが成り立つ訳がない。毎日500万円も赤字を吐きながら香川県民の冷やかしに耐えていたことでんそごうのボランティア活動を引き継いだのが、来年閉店する天満屋なのだ。

香川県民の趣味はうどんと貯蓄。香川県の1世帯当たりの貯蓄残高は全国6位の1863万円。西日本で香川県よりも貯蓄額が多いのは三重県と奈良県しかない。

実収入の少ない三重県や奈良県と違って、多少生活にゆとりのあるはずの香川県民が食費を切り詰めてコツコツ貯蓄してるのはケチだから。1世帯あたりの実収入をみれば、40万円台の三重県や奈良県に住む人々が将来に備えて貯蓄するのはわかる。なのに52万円ある香川県民が収入の少ない県と同じように貯蓄するのはケチだから。そう、香川県民はケチなのだ。

香川県民がブランドに憧れを感じていない訳ではない。何故か、商店街にはシャネルやヴィトン、それに隣県の高級ブランドCOACHまでもが店を出している。

まるでヨーロッパの街並みのように美しく整備された商店街は、香川県民にとっても人気のスポット。そう考えると、商店街と繋がっているあの百貨店が儲からないのはよくわからなくなる。

とはいえ、やっぱりあの百貨店は儲かっていなかった。結局、ことでんそごうは2001年に200億円以上もの負債を抱えて経営破綻した。

そんな毎日開店するだけで赤字がでるボランティア活動に名乗りを上げたのが本日の主役、天満屋なのである。岡山に本店をもつ天満屋が高松に進出したのは、ことでんそごうが破綻した同じ年の9月。その時のキャッチフレーズは、「瓦町、リボーン、舞い降りたのは、新しい時代です」だった。

英語の苦手な香川県民にリボーンの意味が理解されているとは思えないけれども、当初の予想に反して高松天満屋は成功を収めた。2004年には150億円以上の売上を記録。ケチだけど新しいもの好きな香川県民の愛情に包まれて、天満屋はその後も堅調な売上を記録していった。

ところが、それから9年後の今、状況はいつの間にか悲惨なことになっていた。売上は落ち込み、年に何度もキャンペーンセールを繰り返したことで、もはや通常価格で買うのが馬鹿らしく感じてきた香川県民に見捨てられたのだ。

高い家具よりもゆめタウンのニトリ、高い食器や生活用品よりもイオンのトップバリュ。サティにもある映画館すらない天満屋に魅力など皆無だった。あるのはスタバとロフトだけ。地域最強の高級百貨店はいつの間にか高校生ダンス部の溜まり場になってしまった。

こう考えてみると、香川県民に高いものを買わせるなんて間違っているのだ。比較的安いものを何度も買わせた方がいい。安かろう安かろうを求める香川県民に、天満屋なんかいらなかったのだ。

その証拠に、試しに身近な香川県民にオススメのうどん屋を聞くといい。他県の好奇心旺盛な観光客なら誰もが知ってる香川県の高級うどん屋の名前を言う人は殆どいないはず。実家近くのよくわからない大衆うどん屋にしか行ってないのに、高級うどん屋の名前など言えるはずもないのだ。

香川県でうどんが流行ったのは単純に安いから。安いし、何か適当にのせて食べれば味も変わる。何故かサンポートには拉麺築港があるけれど、流行ったのはうどんに飽きた一部の非県民が不思議がって食べにいっただけ。今は拉麺築港に客は殆どいない。

香川県民が何よりも愛するのはお金と安いもの。そんな香川県民に、その両方の要素を持ち合わせない百貨店ビジネスなど成功するはずのない無謀な取り組みだったのかもしれない。

未だ、あの巨大な建物で行われてきた伝統的なボランティア活動を引き継ごうとする者はいない。大阪で言えば、なんばマルイやグランフロントが無くなるようなもの。東京でいえば、渋谷東急や新宿高島屋が無くなるようなもの。

そんなあり得ないことが起こるのが、僕が愛してやまない母なる故郷、香川県なのだ。

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