たいらくんの政治経済。

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2014/04/28

ダマされるな!牛乳有害説の有害性



好き嫌いなくなんでも食べることは昔から親が子に教えてきたこと。だが、福島原発事故以降、日本国内で食品の安全性や放射線汚染の影響等が異常な程に注目を浴びるようになり、その後も産地偽装問題等食品関連の問題が続いたことで話題性は高まるばかり。なかでも比較的放射線の影響を受けやすい牛乳は、その有害性が声高に主張されている。もっとも、牛乳の有害性は原発事故以前に既に牛乳有害説として食に神経質な一般人の間で支持を集めていた。 

牛乳有害説の主軸は、放射線汚染というよりも牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素ラクターゼの不足。大半の日本人が乳糖を分解する酵素を持たない(もしくは不足している)乳糖不耐症であるため、下痢等の症状に苦しむことになるという。牛乳を飲んでもカルシウムを吸収できないどころか、飲んだことで深刻な下痢に悩むことになるそうだ。そんな牛乳有害説を支持するとある保護者がブログに書いたセンセーショナルな記事が注目を集めている。 

結論から言えば、牛乳有害説はまともな根拠すらない全くの嘘。牛乳は今も昔も重要なカルシウム摂取源であって、その他にもビタミンやミネラルをバランス良く含む素晴らしい食品なのだ。とはいえ、牛乳有害説の中心的な根拠となっている乳糖不耐症それ自体は嘘ではない。ハーバード公衆衛生大学院の研究結果によれば、アジアの人々の90%が乳糖不耐症であり、これはヒスパニックの人々(50%が乳糖不耐症)や北欧の人々(15%)に比べて明らかに高い数値と言える。肝心の日本人はというと、元東京大学医学部教授の上田英雄氏が実施した調査結果をそのまま引用すると、実に95%もの人々が乳糖不耐症なのだという。 

乳糖不耐症の人に過剰な量の乳糖を投与すると下痢等の症状が確認されるのだが、これは消化吸収されずに大腸に到達した乳糖が腸内の浸透圧を上げることで、腸壁から水分が染み出し、便が軟化することによる。だが、東京大学大学院農学生命科学研究科の清水誠教授は論文で、「乳糖30g(牛乳700ml相当)ではひとりも下痢を起こさないため、コップ1~2杯の牛乳では多くの場合、問題がない」としている。それでも牛乳有害説の論者は、牛乳と下痢との関係性を主張し続けるだろう。例えば、聖霊女子短期大学生活文化科の塚田三香子教授が学内で実施したアンケート調査では、牛乳を苦手とする学生のうち28.1%の学生が飲まない理由として「お腹がごろごろする」ことを挙げている。 

牛乳を飲むことと下痢との関係を否定する学者もいれば、肯定する学者もいる。個人的には、小学校入学後に学校給食で毎日のように出される牛乳がどう考えてもご飯に合わないので、ひと通り食べ終えてから牛乳を一気に飲んでしまったことが原因なのではないかと思う。冷えた飲み物を一気飲みすれば、牛乳に限らずお腹に良くないことは当たり前のことである。一度でも幼少期に苦手意識をもってしまえばそれを克服することは容易なことではない。 

前出の塚田教授は、マウスを用いた実験を通して、乳糖を含む食品を投与し続けた個体の方が、乳糖を含まない飼料を与えた個体よりも乳糖分解酵素の活性を持った細菌類の数が上昇し、乳糖不耐症を軽減する効果を得たことを証明している。この実験結果を受けて塚田教授は、『「乳糖不耐症と自覚する集団は、乳類を摂取しないためカルシウム摂取量が低い」ということが確かめられている。このような集団に起こるのは、「牛乳による不快な症状を自覚しやすい人は牛乳など乳製品を取らない、すると乳糖を摂取する機会がないために乳糖分解を助ける腸内細菌叢が形成されない、細菌による乳糖分解の助けもないために牛乳をのむと益々乳糖不耐症の症状が自覚されやすい。」という循環が成り立ってしまうためである。』と結論付けた。 

それでもまだ牛乳有害説の支持者はこう訴えるだろう。
「我々は人間だ、マウスじゃない」 

だが、牛乳有害説を崩す根拠はこれだけではない。アメリカ国立衛生研究所の研究員がThe American Journal of Clinical Nutritionで公開した論文では、乳糖不耐症の被験者とそうでない被験者との間で牛乳に含まれるカルシウムの吸収率の差が大きくないことが明らかにされている。また、同論文では1983年に実施された同様の実験でも乳糖不耐症の被験者のカルシウム吸収率が通常よりも18%程低下したという実験結果を紹介しているが、これは言い換えれば、乳糖不耐症の人でも80%以上のカルシウムを吸収できることを意味している。 

その点、冒頭のブログ記事では、『特によく聞くのが、「カルシウムが多くて骨が強くなる」です。でも実は牛乳ってそんなにカルシウム多くないんです。牛乳100g中に110mgのカルシウムが含まれています。ひじきには1.4倍 小松菜には1.5倍 大根の葉っぱには2倍切り干し大根には5倍昆布には6.5倍ワカメには7倍煮干には22倍のカルシウムが含まれています。』と、牛乳が必ずしもカルシウムを豊富に含む食品ではないことを挙げているが、公益社団法人日本栄養士会はHP上で『カルシウムは吸収率の低い栄養素ですが、牛乳のカルシウムの吸収率は他の食品に比べ高く(牛乳:約40%、小魚:約33%、野菜:約19%)、手軽にある程度の量を摂取できます』と説明しており、実質的な吸収率を考えれば牛乳が圧倒的に効果的な食品であることは明らかであるといえる。

そもそも大勢の生徒に限られた人員と経費で食事を準備しないといけない学校給食において、ひじきだの大根の葉っぱだのを献立に採用するよりも、牛乳を1人1本ずつ与えた方がより経済的かつ効果的である。それに、学校給食の献立は、牛乳に含まれるカルシウムの吸収を助けるビタミン類のバランスが良くなるように組まれている。とりわけ牛乳との相性の良いビタミンDは、日光を浴びることで生成できるため、牛乳の文句を言う位なら給食をしっかり食べて外で思いっきり遊んだ方が子供の健康のためになるのではないか。 

結局のところ、このブログの著者が信奉する牛乳有害説は、全く根拠なき嘘なのである。兵庫県丹波市に住む著者が福島原発の放射線汚染の心配をするあたり既に意味不明ではあるものの、NPO法人新宿代々木市民測定所が公開している牛乳の放射線汚染度のリストを見ても今のところ深刻な健康被害を与えるような牛乳は市場に出回っていない。むしろ、訳の分からない説に囚われて、罪のない子供が貴重なカルシウム源を失っていることに同情の念さえ芽生えるといったところだ。 

なにはともあれ、牛乳は最高の食品であることに変わりはない。この著者のように、牛の乳を人が飲むことを疑問視するのであれば、そこは徹底して加工食品も食べずに裸で暮らせば良いのだ。ブログのコメント欄にある読者がこんな質問を投げかけた。「でわ、アイスも、ケーキも、ピザも食べないんですね?これらも乳製品ですが?」 肝心の著者はというと、「知った上で食べてますよー。みんな好きですし。あれこれ選択した上でですが。体にいいからという間違った思い込みで食べたり食べさせたりするのがよくないといいたいんです」と答えている。 間違った思い込みとは何か、考えを改めるのは今からでも遅くはない。

 (参考論文URL) 
http://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/calcium-full-story/#calcium-from-milk 
http://ajcn.nutrition.org/content/42/6/1197.long 
http://www.j-milk.jp/tool/hokokusho/berohe000000bert-att/berohe000000bevw.pdf http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2008/jun/spe-02.htm

2 件のコメント:

  1. アホやろ!

    乳ガンの治療の「坑ホルモン療法」でググれば、薬学的にも乳ガンや前立腺癌の原因は、牛乳に含まれる成長ホルモン=エストロゲンで確定してるんだが?

    ラクトースは白内障の主原因と濃厚にうたがわれてるんだが?

    めんどくさいから、アドレス書かんが「tacodayoのブログ」で「牛乳」でググったら?


    返信削除
  2. アホやろ!

    乳ガンの治療の「坑ホルモン療法」でググれば、薬学的にも乳ガンや前立腺癌の原因は、牛乳に含まれる成長ホルモン=エストロゲンで確定してるんだが?

    ラクトースは白内障の主原因と濃厚にうたがわれてるんだが?

    めんどくさいから、アドレス書かんが「tacodayoのブログ」で「牛乳」でググったら?


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